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その4「へんな敬語」
文・笠井行江
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テレビの中で局のアナウンサーが使っていた言葉で、どう考えてもしっくりこないものがある。食べ物を試食する場面でのこと。アナウンサーが、出演者(レギュラーメンバー)に対して「では、いただいてみてください」と言うのだ。「いただく」というのは謙譲語で、自分の動作を低めて相手を高めるという方法のはず。自分が「いただいてみます」と言うならいいけれど、他の人に対しては「どうぞお召し上がりください」と言うものとばかり思っていた。最初は、そのアナウンサーがただ間違って使っているのだと思っていた。でも、何度も「いただいてください」と言うし、そう言うのは彼女一人だけではなかった気がする。旦那にこの話をすると、「もしかして、出演者はレギュラーだし、局側の人間として位置づけられていて、視聴者に対する敬意を表すために、他人である出演者に対しても謙譲語を使っているのでは?」とのこと。テレビ局としてはそういう意識も働いているのかなぁ・・・とは思ったものの、やっぱり何か違う気がする。人の言葉遣いにメクジラ立てるようになったのは、歳取った証拠かなぁ・・・と思うのだが、聞いて心地いい言葉を使わなければと思う。感情が先走って汚い言葉を相手投げつけてしまうこともある私。そんなふうに「言葉」で失敗することが多い自分だからこそ、"人のふり見て我がふり直せ"の精神で、「言葉」にはもっと気を遣っていかねばと思うのでした。
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