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カメラで切り取るわたしの世界 第6回[カシオペア] 
エッセイ「情報化時代を生きる子ども達へ」
活動報告 [アエルクラブ]
みて・ある記 1月
参加者紹介〜数珠つなぎ
第10回[松井 年志子さん
編集後記
会報目次

 

文・安達 譲さん
(せんりひじり幼稚園 園長)

■玄関としてのメディア

10数年前、小学校で教師をしている頃、3学期の遠足で、4年生の子ども達と大阪城の梅林に行きました。学校から帰ってから、国語の授業で学習していた俳句を作ってもらいました。その時の俳句の中に、忘れられない句があります。それは、「梅の花 ガムのにおいで おいしそう」というものでした。その時は、「ガムのような人工の匂いが先で、梅の自然の匂いが後なんや、今の子は・・・」ぐらいの驚きでした。しかし、だんだんと、そのようなことに危機感を抱くようになってきました。かつての臨時教育審議会の答申にも、情報化の「影」の部分に関する問題が指摘されています。「実体験と疑似体験の区別が付かなくなる」などの危険性も言われ始めていました。私の幼稚園でも、子ども達が雑誌の付録のポケット図鑑を持って園庭の虫や花を探したり、名前を調べたりしていることがあります。その中で、よく聞かれるのが、「あの花、図鑑の花と違う。」「この虫、図鑑におれへん。」という言葉です。図鑑に載っている花や虫を信じ、実物を疑ってかかることがよくあるのです。もちろん、図鑑が悪いのではありません。ただ、図鑑や様々なメディアを通して知った情報というのは玄関の扉のようなもので、興味を持った後に実物を感じて欲しいと思います。つまり、玄関の扉を開けて、実際にその中に入って行って欲しいのです。玄関だけしか知らないのに、中も知っているような気になるのではなく、実際に入って行って、その物のにおいや温度、音などを五感をフルに使って感じて欲しい。例えば、今まで自分の手のひらの上で動いていた虫が動かなくなった時に、「命」を感じたり、自分が虫で遊んで命を奪ってしまったことに、少しでも申し訳なさを感じてくれることを願います。


■情報化社会に生きる子ども達に

メールのやりとりやチャット、掲示板など、非常に匿名性の高い状況の中でのモラルは、とても大切だと思います。変な話、子どもがトイレでおしっこをこぼしてしまった時、失敗したことを正直に先生に言いに来たり、こぼしてしまった所を自分でふけということが、知識をたくさん持つことよりも大切だと思います。また、様々なマスメディアから、とてつもなく多くの情報が流される社会では、子ども達はどの情報を選択するか極めて難しい状況にさらされます。色々な情報に振り回されない子どもに育てるためには、まず我々大人が自分のスタイルや自分の家のスタイルをしっかりと持つことが必要です。それを見て、子ども自身が「自分流」の生き方を持てるよう、自己肯定感(自尊感情)を育ててあげたいと思います。


◆プロフィール

1961年  大阪生まれ
1984年  大阪教育大学卒業。 
学校法人追手門学院追手門小学校勤務
1997年  学校法人せんりひじり幼稚園勤務 http://www.senrihijiri.ed.jp/

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